こんにちは!今まで3回お届けした五郷の食シリーズも今回で最終回です。
今日は花松、しきび、しばの3つを紹介します。
聞いたことのない名前だなぁ~と感じてらっしゃる方もおおいと思います。
花松、しきび、しばとは神棚やお墓にお供えしている木々のこと。実は最近それらが五郷の産業として注目を浴びているのです。
そこで今回は五郷でそれらを出荷されている、石井敏さんにお話を伺いました。
↑ 石井敏さん
観音寺駅で石井さんと合流。そのまま軽トラックに乗せて頂き、仕事場まで連れて行って頂きました。
どんどん山が深くなっていきます。この山道はもともと整備されていない土の道だったのですが、お供え物の出荷が盛んになってきたため、地元の方々で道の整備を行ったそうです。
山道を走り始めて約10分、だんだんと視界がひらけてきて、広大な山の景色が広がりました。ここが石井さんの仕事場です!
石井さんが栽培されている花松・しきび・しばの3種類。それぞれにこのような違いがあります。
【花松】
神事用のお供え物で、雄松と雌松があり、年末からお正月(12月31日から1月15日)は雄松、雌松を対にしてお供えします。そのほかの時期は雄松のみをお供えします。
石井さんのお宅では、月平均して2800本ほど出荷していますが、ピーク時の年末年始には倍以上の6000本ほどに出荷されるそうです。花松はあまり自生していないため、種植えから行います。
【しきび】
しきびは仏用のお供え物で、主にお墓と、仏壇にお供えされます。花柴と呼ばれることもあります。
春、秋の彼岸とお盆、正月に出荷のピークとなります。しきびも花松同様、自生しているものがあまり無いため、種植えから行うそうです。
【しば】
しばも仏用のお供え物ですが、しきびとは異なり、お墓のみにお供えされます。しばは海老済・一砂に多く自生しているため、あまり種植えは行われません。しゃしゃきと呼ばれることもあります。しきびと比べて葉が小さいのが特徴です。
このようなお供え物の出荷は1997年頃から盛んに行われるようになりました。
かつては自分でお供えするものは自分で採ってくるという習慣がありましたが、今では仕事で忙しい方、高齢で自分で採りに行くのが困難になった方など、いろいろな理由から自分で採りに行く方は少なくなったそうです。
そのため、五郷でお供え物を出荷されている方は年々増えているといいます。
五郷、特に海老済・一砂の木々は山が深く日照時間が少ないため、葉の緑色が濃いのが特徴です。
この五郷でしか出せない深い緑色が、他地域にはない五郷産の強みなんですね。
最近、若い人はあまり神棚や、お墓にお供え物しなくなってきました。
お供えをするということはご先祖様を大切にするということ。
日本の古くからの伝統を若い人たちに伝えていかなければと石井さんは言います。
確かに、お供え物をするという習慣はなくなっているかもしれません。でも石井さんのお話を聞いて、日本のご先祖様を大切にするという日本の文化の美しさに改めて気づかされました。
約2時間ほど、ご丁寧に説明をしてくださった石井さん、本当にありがとうございました。
今回で五郷の食シリーズはおしまいになります。
五郷には五郷にしかない農作物の魅力がたくさんあります。
このブログを見て、五郷の農作物に、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!
是非五郷を訪れてみてください。
深い山々、美しい自然、あたたかな人々。
普段の生活から少し離れて、ゆったりとした五郷時間に癒されることと思います。