五郷だより

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海老済・石砂(えびすくい・いっさこ)


シャシャキも、ハナマツも、山菜も、
みんな山からのいただきもの

見渡す限り山々が連なる石砂地区。
まず山の神様にお参りして、さらに山道を進むと、シャシャキ(ヒサカキ)畑が見えて来ました。
シャシャキとは、仏様に供える枝もののこと。
海老済・石砂地域は、五郷の中でも一番山奥に位置し、
シャシャキやハナシバ、サカキやハナマツなどの枝ものを栽培しています。

「他の地区でもつくったけど、やっぱりここのシャシャキが色がええゆうて。
この辺りは、夏でも昼過ぎにはもう日が陰りますからな。
日が当たらんおかげで葉が焼けんのだと思います」と話すのは、
生まれも育ちも海老済という石井敏さん。
五郷の人たちさえも「山」と呼ぶこの地域にあって、
石井さんは山の大ベテランです。
一緒に山道を歩くと、「ここはさっきまでイノシシがおった。匂わん?」
「この穴は1ヵ月前に掘ったやつ、これは1週間くらい前かな」と、
五感で山と会話をしているよう。
また「山には至る所に神様がおられる」との言葉通り、
山中にはそれぞれの集落を向いて、山の神様を祀った小さな祠が並んでいます。
山での安全を祈って、代々、山で働く人たちがお守りしてきたとのこと。
時には大木を神様として祀ることもあったそうです。

「家族は山を下りたけど、わしは自分が生まれ育ったところが好きやから、
毎日山に帰ってくる」という石井さんおすすめの季節は、
山萌ゆる春から初夏にかけて。ワラビ、ゼンマイ、フキ、イタドリ…などの山菜に加え、
川では春はアカマツ、夏はウナギや川エビが獲れ、まさに食の宝庫。
すべては山からのいただきもの。神様に抱かれた豊かな自然があればこその山の幸です。



棒賀神社
秋祭りには地区の「青年衆」が獅子舞を披露する海老済の神社。境内のイチョウも見事。

前田川のホタル
海老済集会所近くの前田川では、6月頃になるとホタルが乱舞。夏にはカジカ蛙の声も。

石砂観音様
毎月17 日に住民が集まって般若心経を唱えていたが、現在は「御霊具(おりょうぐ)」をお供えしている。紅葉が見事。

犬神大明神
その昔、流行病の祈祷に犬を生け贄にしたとか。2 年に一度、旧暦11 月に霜月祭りが行われる。女人禁制。

曼陀峠(まんだとうげ)
標高約600m。古来から讃岐と阿波を結ぶ遍路道として賑わった。曼陀トンネル横から遊歩道あり。

地元の口コミ
「狩り場焼(かりばやき)」と言えば、五郷ではイノシシ肉のバーベキューのこと。美味しいよ!

夜は空を見上げて!降るように見えるけん